どうしてなんだろう I wonder why. 2004 9 16
今の株式市場の懸念は、景気の減速でしょうか。
しかし、実は、もっと懸念すべき問題があります。
それは、連動性ということです。
アメリカの株式市場が下がると、日本の株式市場(日経平均株価)も下がる。
日経平均株価が下がると、新興市場の株価も下がる。
(逆に、日本の株式市場が急落すると、アメリカの株式市場も下がる可能性があります)
こうした連動性が、リスクなのです。
これでは、どこかの市場が、ひとつでも下がると、他の市場に波及してしまいます。
こういう状況では、どこの市場も補完性がありません。
残念なことに、補完性ではなく、連動性があるのです。
これは、国際投資家から見れば、つらいでしょう。
アメリカの株式市場が不調でも、日本の株式市場が好調ならば、リスク分散できます。
しかし、こういう連動性があっては、リスク分散はできません。
同じことは、日本人投資家にも言えます。
日経平均株価が不調でも、新興市場が好調ならば、リスク分散できます。
ところが、現状では、日経平均株価が下落すると、
まるで、自動的に、機械的に、新興市場も下落します。
どうして、こうなってしまったのか。
実は、昨年の春は、日経平均株価が不調でも、新興市場は好調だったのです。
日経平均株価と新興市場とは、中身が違う、
だから、日経平均株価を、
「見ざる、聞かざる、言わざる」で頑張ろうという声があったほどです。
こうしたサムライのような強者がいたのです。
今の株式市場は、どうして、こうなってしまったのか。
おそらく、昨年に比べて、マニュアル投資家が増えてしまったのが原因でしょう。
自分では判断せず、マニュアルどおりに行動するという投資家です。
これは、やむを得ないのかもしれない。
今や、就職活動においても、マニュアルがありますし、
さらに、面接マニュアルまでもあります。
就職活動における服装マニュアルもあると聞きます。
もっと驚いたことは、知人の話では、デートのマニュアルまでもあるそうです。
(今の経営者が、どう考えているか、わかりませんが、
もし私が経営者だったら、そんな学生は採用しません。
私は、学生に個性や行動力を求めます。
若者だからこそ、失敗が許されるのです。
若者は、何にでも挑戦し、若いうちに、数多くの失敗を経験しておく必要があります。
それが、人生にとって財産となるのです。
しかし、マニュアルに頼っていては、失敗もしなければ、成功もしないでしょう。)
こうしたマニュアル世代が、日本の中心世代になってくると、どうなるか。
ここ十数年は、中年や団塊の世代が頑張っているから、なんとかなるでしょうが、
こうした世代が現役を引退した時に、「先行きは暗い」と思いたくなります。
「マニュアルがないと判断できない」
「デートのマニュアルまでもある」
「そして、少子高齢化」
日本の30年後の未来は、暗いと言わざるを得ない。
どうして、こうなってしまったのか。
親が悪かったのか、教育が悪かったのか。
最近、ラストサムライという映画が流行しましたが、
今の日本には、サムライはいません。
その代り、マニュアル人間がいます。
サムライ(投資家)の時代は終わったのか。
今は、マニュアル(投資家)の時代なのか。